研究発表会 Feed

2022年4月 5日 (火)

第44回総会・第74回研究発表会

総会・大会へのご出欠ならびにご連絡先・ご所属の変更等の有無等につきまして、総会資料とともに郵送される返信用はがき、あるいはこのフォームでお知らせください。

日時 2022年5月14日(土)13:30–17:15
場所 Zoomによるオンライン開催(ミーティングID:954 1138 9179、パスコード:290277)

プログラム
12:30 役員会 役員・委員は別途ご案内するURLからご出席ください。

13:20 受付開始

13:30 総会 開会挨拶:舟川一彦会長 第39回刈田賞および第38回ロゲンドルフ賞の発表・授与を行います。

13:50 研究発表
13:50–14:30 木内祥太(慶応義塾大学大学院博士課程) 司会:網代敦(大東文化大学)
Beowulfにおける「王」・「戦士」・「人」

14:40–15:20 田村真弓(大東文化大学) 司会:石塚倫子(東京家政大学)
十七世紀前半のイギリス宮廷における『冬物語』の上演

15:30–17:15 講演 講師:町本亮大(上智大学) 司会:舟川一彦(上智大学)
批評とエートス — マシュー・アーノルドのクラシシズム、ヒストリシズム、トラクテリアニズム

17:15 閉会挨拶:日臺晴子副会長

第74回研究発表会:発表・講演要旨

Beowulfにおける「王」・「戦士」・「人」
木内祥太
 Beowulfには特徴的な類義語群がいくつか存在する。そのうち「王」と「戦士」を意味する語は特に多い。この作品の「戦士」を扱った代表的な研究としてBrady(1983)が挙げられる。また古英詩一般を対象に、主に意味の観点からその2語を分析したStrauß(1974)は包括的である。しかし、彼らは両者の関係性には消極的な見方をしている。本研究では「王」と「戦士」、さらにそれらと密接に関わる「人」を対象に、社会背景を踏まえながらBeowulfにおけるその関係性について分析していく。

十七世紀前半のイギリス宮廷における『冬物語』の上演
田村真弓
 ウィリアム・シェイクスピア(William Shakespeare, 1564–1616)の『冬物語』(The Winter’s Tale, 1609–10)は、1612年から13年にかけて、プファルツ選帝侯フリードリヒ五世とエリザベス王女の祝婚の余興の一つとして上演されたことから、この作品とジェームズ一世の平和政策の一環としてのフリードリヒとエリザベスの結婚との関係は明白であり、すでに多くの批評家たちによって両者の関連性が指摘されている。一方、この劇が、17世紀前半に三度宮廷で上演されて以降、18世紀半ばまで上演されなかったことは注目に値する。本発表では、1618年、1624年、1634年の『冬物語』の宮廷上演に注目し、これらの上演が、ヨーロッパ大陸で三十年戦争に巻き込まれたエリザベス・ステュアート(Elizabeth Stuart, 1596–1662)と大いに関連していることを論じたい。

批評とエートス — マシュー・アーノルドのクラシシズム、ヒストリシズム、トラクテリアニズム
町本亮大
 マシュー・アーノルドは、あるリベラル派の主教の著作を「文芸共和国のつつましき一市民」として批評するなかで、社会全般に知識や真理が有効に伝播するためには、想像力を通じて「無学な多数者」の心をやわらげ、彼らの精神に知識が根を張ることを可能にする土壌づくりから始めなければならないことを主張する。古典派の先達であるポウプの『批評論』 にも通じるこの洞察は、古代ギリシア以来の弁論術の伝統を踏まえたものといえよう。しかしヴィクトリア時代の知的世界において、受け手の「エートス」(品性、人柄)への配慮という論点の理解は、ヘルダーと結びつく歴史主義的思考やオクスフォード運動の宗教知識論によって変容を被ったと考えられる。本発表では、変容するエートス概念がアーノルドの批評プログラムの中核をなす文化やアカデミーの理念といかに接合するかを検討したい。

2022年2月 4日 (金)

2022年度研究発表会:予告

2022年5月14日(土)開催予定。 発表を希望する方は事務局にご連絡願います。3月10日(木)までに、氏名、所属、タイトル、200字程度の要旨をお送りください。

2021年4月 6日 (火)

第43回総会・第73回研究発表会

総会・大会へのご出欠ならびにご連絡先・ご所属の変更等の有無等につきまして、総会資料とともに郵送される返信用はがき、あるいはこのフォームでお知らせください。

日時 2021年5月15日(土)14:00–17:15
場所 Zoomによるオンライン開催(ミーティングID:915 9479 0280、パスコード:517426)

プログラム
13:00 役員会 役員・委員は別途ご案内するURLからご出席ください。

13:50 受付開始

14:00 総会 開会挨拶:舟川一彦会長 第38回刈田賞および第37回ロゲンドルフ賞の発表・授与を行います。

14:20–15:00 研究発表 南ひかる(上智大学大学院博士後期課程) 司会:田村真弓(大東文化大学)
『冬物語』における"play"の重要性

15:15–17:15 シンポジウム 司会・講師:杉野健太郎(信州大学) 講師:中村美帆子(明治大学)、下楠昌哉(同志社大学)、平塚博子(日本大学)
英米文学とスポーツ

17:15 閉会挨拶:日臺晴子副会長

第73回研究発表会:発表・シンポジウム要旨

『冬物語』における"play"の重要性
南ひかる
 『冬物語』において"play"という語は、気晴らし(recreation)と演技(performance)という大きく2通りの意味で用いられており、前者は子供時代、無垢、自然、後者は大人の世界、偽り、技巧と関連付けられている。子供の気晴らしが無垢や、自然の持つ成長力を連想させる一方で、大人の「遊び」は策を弄することや性的な罪深さと結び付く。しかし、最終幕においてハーマイオニが彫像となって現れた時、2つの意味が融合し"play"という語は「再生」という新たな意味を帯びるようになる。このような"play"という語の両義性とその「再生」の力を論じる。

英米文学とスポーツ
杉野健太郎、中村美帆子、下楠昌哉、平塚博子
 近代スポーツは、産業革命後の19世紀初頭のイングランドで誕生したというのが最も妥当な見方であろう。当然ながら、近代スポーツと近代あるいはモダニティは切り離せない。東京オリンピック開催を機に催される本シンポジウムでは、19世紀以降の英米文学とスポーツとの関係を考えてみたい。

1. E・M・フォースターとスポーツ ― 帝国主義と青少年たち
中村美帆子
 E・M・フォースター(E. M. Forster, 1879–1970)のThe Longest Journey(1907)や、死後出版のMaurice(1971)には、19世紀末から20世紀初頭にかけての帝国主義下のイギリスにおける、青少年の教育の在り方が見られる。当時の学校教育は、スポーツを利用し、帝国の将来を担う男子の育成を目指した。しかし、これらの作品に登場するスポーツは、むしろ帝国主義に反するものとして機能している。本発表では、作中に見られるフットボールやクリケット等のスポーツの役割を考察する。

2. 柔術と柔道 — 小泉八雲と嘉納治五郎
下楠昌哉
 『ブリタニカ百科事典』第11版(1910–11)の"Ju-jutsu"の項目において、小泉八雲ことラフカディオ・ハーン(Lafcadio Hearn, 1850–1904)のOut of the East(1895)から柔術の説明が引用され、ハーンが教鞭を執っていた熊本の第五高等學校でなされていた武術の描写は、英語圏における「柔術」表象の代表となった。しかしながら、ハーンが目にしていた武術は、五校では「柔道」と呼ばれていた。当時の五校校長こそ誰あろう、講道館柔道の始祖嘉納治五郎だったからである。このエピソードを中心に、19世紀末から20世紀はじめにかけての英米での"Ju-jutsu"のイメージを考察する。

3. F・スコット・フィッツジェラルドとスポーツ ― The Great Gatsby を中心として
杉野健太郎
 F・スコット・フィッツジェラルド(F. Scott Fitzgerald, 1896–1940)の作品、とりわけ1922年を主な時代設定としたThe Great Gatsby(1925)には多くのスポーツが登場する。自伝的要素が強くプレップスクールと大学を主な舞台とする最初の作品This Side of Paradise(1920)のフットボール(アメリカン・フットボール)とは打って変わり、現代消費社会が誕生したアメリカの1920年代=「狂乱の時代」あるいはジャズ・エイジのニューヨークを舞台とするThe Great Gatsbyでは、ベースボール、クリケット、ポロ、フットボール、ゴルフと多彩なスポーツが登場する。本発表では、おそらく多くの学者が興味を抱きながらも特に日本ではまったく論じられてこなかったThe Great Gatsbyにおけるスポーツの問題を論じたい。

4. ウィリアム・フォークナーとスポーツメディア
平塚博子
 1954年創刊のアメリカのスポーツ雑誌Sports Illustratedには、多くの著名な作家が寄稿し、ウィリアム・フォークナー(William Faulkner, 1897–1962)もその一人である。当時、ノーベル賞を受賞しアメリカを代表する文化人となっていたフォークナーの同誌への起用は、アメリカ政府の冷戦期の文化政策とそれを支持する同誌の編集方針に合致するものであった。これらのことを踏まえたうえで、本発表ではフォークナー作品、特にThe Reivers(1962)とスポーツメディアの関係を考察する。

2021年2月10日 (水)

2021年度研究発表会:予告

2021年5月15日(土)、オンラインで開催予定。

発表を希望する方は事務局にご連絡願います。3月10日(水)までに、氏名、所属、タイトル、200字程度の要旨をお送りください。

2020年4月 8日 (水)

【重要】第42回総会・第72回研究発表会:延期のお知らせ

会員の皆様へ

第42回総会・第72回大会について、諸事情を勘案しました結果、予定されていた5月23日(土)の開催を断念することとなりました。本年度中の延期開催を現在検討しておりますが、まだお伝えできる状況にはありません。

4名の研究発表者、4人の先生方をお迎えしてのシンポジウム企画で、充実した大会になることを楽しみにしておりましたが、苦渋の決断であります。ご準備くださっていた皆様には、心よりお詫び申し上げます。

下記3件の担当者交代のほかは2019年度と同じ役員・委員体制で運営を続けてまいります。ご理解を賜りますよう、よろしくお願いいたします。これは本来なら総会での審議を経るべき事項ですが、総会が開催できないため、この点につきご異議のある方は5月23日までに事務局へご連絡ください。
 書記=三原里美氏(中村美帆子氏と交代)
 会計=中村美帆子氏(佐野陽子氏は退任)
 会誌編集長=山口和彦氏(中島渉氏は退任)

今後については決定し次第、皆様に改めてご連絡いたします。皆様も、ご健康にご留意のうえお過ごしください。

2020年4月8日
会長 舟川一彦

2020年2月 1日 (土)

2020年度研究発表会:予告

2020年5月23日(土)、上智大学四谷キャンパスにて開催予定。 延期(4月8日付けの記事をご参照ください。)

発表を希望する方は事務局にご連絡願います。2月末日までに、氏名、所属、タイトル、200字程度の要旨をお送りください。

2019年4月 3日 (水)

第41回総会・第71回研究発表会

日時 2019年5月11日(土)13:30–17:15
会場 上智大学四谷キャンパス6号館6-203教室、6-204教室
交通 JR中央線、東京メトロ丸ノ内線・南北線 四ツ谷駅下車徒歩5分|地図

プログラム
12:00 役員会(6-203教室) 役員および事務局員はご出席ください(ご欠席の方は、必ず事務局までご連絡ください)。

13:15 受付開始(6-204教室)

13:30 総会(6-204教室)

14:00 研究発表(6-203教室)
14:00–14:40 木内祥太(慶應義塾大学大学院) 司会:熊田和典(埼玉学園大学)
古英語における接頭辞be-の役割に関する考察

14:50–15:30 石山ひかる(上智大学大学院) 司会:大野美砂(東京海洋大学)
アンジェリーナ・グリムケの反奴隷制運動における終末論思想

15:40–17:15 シンポジウム(6-204教室) 講師:徳永守儀(東洋大学名誉教授)、小野昌(城西大学元教授)、田辺章(武蔵野美術大学)、西能史(上智大学)、皆川祐太(上智大学大学院特別研究員) 司会:日臺晴子(東京海洋大学)
サウンディングズ創立50周年記念シンポジウム — サウンディングズとLux Veritatis

17:45–19:15 懇親会(13号館303号室) 会費:4,000円(学生2,000円) 第37回刈田賞および第36回ロゲンドルフ賞の授与を行います。

第71回研究発表会:発表・シンポジウム要旨

古英語における接頭辞be-の役割に関する考察
木内祥太
 接頭辞be-は現代英語(bespeak, besmear, besiege)やドイツ語(bestehen, befinden, beachten)にも見られるが、その意味は「全く、すっかり」といった強意や自動詞から他動詞を作る機能を備えるものとして説明されていることが多い。しかし、このような記述からは接頭辞be-がつく単語とそれがつかない単語の区別がいまだ不明瞭なままであるように思える。そこで、視点をその源流である古英語に移し、接頭辞be-がみられる単語に着目してその差異が本来どのようなものであったのかについて考察したい。古英語期に書かれた作品をいくつか取り上げ、その中から、becumanとcumanのように、接頭辞be-がつく単語とつかない単語を比較し、コロケーションの観点も含めてその2つの単語がどのように区別されていたのかを検討する。

アンジェリーナ・グリムケの反奴隷制運動における終末論思想
石山ひかる
 アンジェリーナ・グリムケ(Angelina Grimké, 1805–79)は、姉サラ・グリムケ(Sarah Grimké, 1792–1873)とともに、南北戦争前のアメリカにおいて反奴隷制運動に深く関わった女性として知られている。本発表では、グリムケの日記や夫ウェルドに当てた手紙などの一次資料を用いながら、彼女の急進的な主張を支えた思想的背景を分析していく。その中で、彼女の世界観が当時の急進的思想であった終末論と共鳴し、「奴隷の即時解放」を求めるラディカルな主張につながっていったことが明らかになる。

サウンディングズとLux Veritatis
徳永守儀、小野昌、田辺章、西能史、皆川祐太
 1969年に組織された上智大学英文学科卒業生および大学院生の研究・親睦の団体は、刈田元司・ロゲンドルフ両先生によって「サウンディングズの会」と命名された。船乗りが行う「測深」を意味するsoundingは、Herman MelvilleのMoby-Dickにも用いられる語であるが、まさに若手の研究者たちが精緻な研究成果を積み重ねていくことを願っての名称である。その後、1979年秋に規約を整備し「サウンディングズ英米文学研究会」と改称、さらに1983年には外部にも門戸をひらいて現在の「サウンディングズ英語英米文学会」となった。
 2019年はサウンディングズ創立50周年にあたる。創立当初とは研究の風潮も大学をとりまく環境も大きく変化したが、会のエンブレムに刻まれているLux Veritatis(真理の光)は世の趨勢に左右されることなく輝き続けるものであり、我々が不断に追い求めるべき価値を有するものであろう。
 50周年を記念する今回のシンポジウムには、会の黎明期・成長期を見てこられた先生方と並んで、会の今後を担う研究者、会を側面から支えてこられた方をお迎えしている。それぞれのお立場で、会の歴史や現状について述べていただき、さらにはご出席の会員諸氏との間での活発な議論をとおして、単に50年の歩みを回想するだけでなく、文学を愛する者としての我々の原点を再確認し、今後の活動の方向性をさぐるシンポジウムとしていきたい。