研究発表会 Feed

2024年1月28日 (日)

2024年度研究発表会:予告

2024年5月11日(土)、上智大学四谷キャンパスにて開催予定。 発表を希望する方は事務局にご連絡願います。2月末日までに氏名、所属、タイトル、200字程度の要旨をお送りください。

2023年4月 8日 (土)

第45回総会・第75回研究発表会

当日のご出欠、ご連絡先・ご所属の変更等については、総会資料とともに郵送される返信用はがき、あるいはこのフォームでお知らせください。

会場となる図書館に入るために、大会プログラムが必要です。当日はプログラムを図書館入口で提示し、入館してください。

日時 2023年5月13日(土)13:50–17:00
会場 上智大学四谷キャンパス図書館L-821
交通 JR中央線、東京メトロ丸ノ内線・南北線 四ツ谷駅下車徒歩5分|地図

プログラム
12:40 役員会(L-822) 役員・委員はご出席ください。

13:50 受付開始

14:10–14:30 総会

14:40–15:20 研究発表 田村真弓(大東文化大学) 司会:石塚倫子(東京家政大学)
『冬物語』の宮廷上演と三十年戦争

15:30–17:15 講演 講師:舟川一彦(上智大学名誉教授) 司会:西能史(上智大学)
ウォルター・ペイターのギリシア彫刻論 — 彫刻は倫理的観念の伝達者たりうるか

17:30–19:00 懇親会(13号館304号室) 会費:5,000円(学生2,000円) 第41回刈田賞および第40回ロゲンドルフ賞の授与を行います。

第75回研究発表会:発表・講演要旨

『冬物語』の宮廷上演と三十年戦争
田村真弓

 ウィリアム・シェイクスピア(William Shakespeare, 1564–1616)の『冬物語』(The Winter’s Tale, 1611)は、1611年11月5日の宮廷上演を皮切りに、1642年の清教徒革命による劇場閉鎖までに、宮廷で5度上演されている。その他の劇の上演は、通常1、2回であったことを考慮すると、『冬物語』の宮廷上演の回数は、極めて多いと言わざるを得ない。本発表では、『冬物語』の5度の宮廷上演のうち、1618年、1624年、1634年の上演に注目し、宮廷もしくは民衆劇場で同時期に上演された劇や仮面劇と共に、歴史的・政治的背景から分析することで、それらの上演の意義を探りたい。加えて、1612年から1613年にかけての『冬物語』の上演が、ジェームズ王の息女エリザベス・ステュアート(Elizabeth Stuart, 1596–1662)とプファルツ選帝侯フリードリヒ五世の祝婚の余興の一つであったことから、エリザベスと『冬物語』の宮廷上演の関係性を考察したい。

ウォルター・ペイターのギリシア彫刻論 — 彫刻は倫理的観念の伝達者たりうるか
舟川一彦

 死後出版されたペイターの『ギリシア研究』(Greek Studies, 1895)の後半部をなすのは、ギリシア彫刻に関するエッセイ4篇である。この一連の論考の中で彼が、同書前半の神話論のテーマをどのように発展させたかを考える。
 ペイターは初期のエッセイ「ヴィンケルマン」(1867)で、ヘーゲルの美術史理論に依拠して、彫刻を古代ギリシア人の精神に適合した「古典的藝術」と特徴づけていた。それはつまり、キリスト教以後および近代の人間の内面や精神を表現するには不適格という意味だった。ところが1870年代中頃のギリシア神話論において、ペイターは人間の内面と倫理性の表現という重い役割を彫刻に与え、ギリシア彫刻がその任務を実際に果たしたと主張するようになる。その動機は、ギリシア彫刻に題材を提供するギリシア宗教と、キリスト教および近代の精神との近似性と連続性を立証したいという願望にあった。
 1880年前後に書かれ、『ギリシア研究』後半に収められた彫刻論でペイターが果たしてそれを立証しえたのか、もし立証できなかったとすれば、彼がどのような形で自らの理論の欠落点を埋め合わせようとしたのかを観察する。

2023年2月 1日 (水)

2023年度研究発表会:予告

2023年5月13日(土)、上智大学四谷キャンパスにて開催予定。 発表を希望する方は事務局にご連絡願います。2月末日までに氏名、所属、タイトル、200字程度の要旨をお送りください。

2022年4月 5日 (火)

第44回総会・第74回研究発表会

当日のご出欠、ご連絡先・ご所属の変更等については、総会資料とともに郵送される返信用はがき、あるいはこのフォームでお知らせください。

日時 2022年5月14日(土)13:30–17:15
場所 Zoomによるオンライン開催(ミーティングID:954 1138 9179、パスコード:290277)

プログラム
12:30 役員会 役員・委員は別途ご案内するURLからご出席ください。

13:20 受付開始

13:30 総会 開会挨拶:舟川一彦会長 第39回刈田賞および第38回ロゲンドルフ賞の発表・授与を行います。

13:50 研究発表
13:50–14:30 木内祥太(慶応義塾大学大学院博士課程) 司会:網代敦(大東文化大学)
Beowulfにおける「王」・「戦士」・「人」

14:40–15:20 田村真弓(大東文化大学) 司会:石塚倫子(東京家政大学)
十七世紀前半のイギリス宮廷における『冬物語』の上演

15:30–17:15 講演 講師:町本亮大(上智大学) 司会:舟川一彦(上智大学)
批評とエートス — マシュー・アーノルドのクラシシズム、ヒストリシズム、トラクテリアニズム

17:15 閉会挨拶:日臺晴子副会長

第74回研究発表会:発表・講演要旨

Beowulfにおける「王」・「戦士」・「人」
木内祥太
 Beowulfには特徴的な類義語群がいくつか存在する。そのうち「王」と「戦士」を意味する語は特に多い。この作品の「戦士」を扱った代表的な研究としてBrady(1983)が挙げられる。また古英詩一般を対象に、主に意味の観点からその2語を分析したStrauß(1974)は包括的である。しかし、彼らは両者の関係性には消極的な見方をしている。本研究では「王」と「戦士」、さらにそれらと密接に関わる「人」を対象に、社会背景を踏まえながらBeowulfにおけるその関係性について分析していく。

十七世紀前半のイギリス宮廷における『冬物語』の上演
田村真弓
 ウィリアム・シェイクスピア(William Shakespeare, 1564–1616)の『冬物語』(The Winter’s Tale, 1609–10)は、1612年から13年にかけて、プファルツ選帝侯フリードリヒ五世とエリザベス王女の祝婚の余興の一つとして上演されたことから、この作品とジェームズ一世の平和政策の一環としてのフリードリヒとエリザベスの結婚との関係は明白であり、すでに多くの批評家たちによって両者の関連性が指摘されている。一方、この劇が、17世紀前半に三度宮廷で上演されて以降、18世紀半ばまで上演されなかったことは注目に値する。本発表では、1618年、1624年、1634年の『冬物語』の宮廷上演に注目し、これらの上演が、ヨーロッパ大陸で三十年戦争に巻き込まれたエリザベス・ステュアート(Elizabeth Stuart, 1596–1662)と大いに関連していることを論じたい。

批評とエートス — マシュー・アーノルドのクラシシズム、ヒストリシズム、トラクテリアニズム
町本亮大
 マシュー・アーノルドは、あるリベラル派の主教の著作を「文芸共和国のつつましき一市民」として批評するなかで、社会全般に知識や真理が有効に伝播するためには、想像力を通じて「無学な多数者」の心をやわらげ、彼らの精神に知識が根を張ることを可能にする土壌づくりから始めなければならないことを主張する。古典派の先達であるポウプの『批評論』 にも通じるこの洞察は、古代ギリシア以来の弁論術の伝統を踏まえたものといえよう。しかしヴィクトリア時代の知的世界において、受け手の「エートス」(品性、人柄)への配慮という論点の理解は、ヘルダーと結びつく歴史主義的思考やオクスフォード運動の宗教知識論によって変容を被ったと考えられる。本発表では、変容するエートス概念がアーノルドの批評プログラムの中核をなす文化やアカデミーの理念といかに接合するかを検討したい。

2022年2月 4日 (金)

2022年度研究発表会:予告

2022年5月14日(土)開催予定。 発表を希望する方は事務局にご連絡願います。3月10日(木)までに、氏名、所属、タイトル、200字程度の要旨をお送りください。

2021年4月 6日 (火)

第43回総会・第73回研究発表会

当日のご出欠、ご連絡先・ご所属の変更等については、総会資料とともに郵送される返信用はがき、あるいはこのフォームでお知らせください。

日時 2021年5月15日(土)14:00–17:15
場所 Zoomによるオンライン開催(ミーティングID:915 9479 0280、パスコード:517426)

プログラム
13:00 役員会 役員・委員は別途ご案内するURLからご出席ください。

13:50 受付開始

14:00 総会 開会挨拶:舟川一彦会長 第38回刈田賞および第37回ロゲンドルフ賞の発表・授与を行います。

14:20–15:00 研究発表 南ひかる(上智大学大学院博士後期課程) 司会:田村真弓(大東文化大学)
『冬物語』における"play"の重要性

15:15–17:15 シンポジウム 司会・講師:杉野健太郎(信州大学) 講師:中村美帆子(明治大学)、下楠昌哉(同志社大学)、平塚博子(日本大学)
英米文学とスポーツ

17:15 閉会挨拶:日臺晴子副会長

第73回研究発表会:発表・シンポジウム要旨

『冬物語』における"play"の重要性
南ひかる
 『冬物語』において"play"という語は、気晴らし(recreation)と演技(performance)という大きく2通りの意味で用いられており、前者は子供時代、無垢、自然、後者は大人の世界、偽り、技巧と関連付けられている。子供の気晴らしが無垢や、自然の持つ成長力を連想させる一方で、大人の「遊び」は策を弄することや性的な罪深さと結び付く。しかし、最終幕においてハーマイオニが彫像となって現れた時、2つの意味が融合し"play"という語は「再生」という新たな意味を帯びるようになる。このような"play"という語の両義性とその「再生」の力を論じる。

英米文学とスポーツ
杉野健太郎、中村美帆子、下楠昌哉、平塚博子
 近代スポーツは、産業革命後の19世紀初頭のイングランドで誕生したというのが最も妥当な見方であろう。当然ながら、近代スポーツと近代あるいはモダニティは切り離せない。東京オリンピック開催を機に催される本シンポジウムでは、19世紀以降の英米文学とスポーツとの関係を考えてみたい。

1. E・M・フォースターとスポーツ ― 帝国主義と青少年たち
中村美帆子
 E・M・フォースター(E. M. Forster, 1879–1970)のThe Longest Journey(1907)や、死後出版のMaurice(1971)には、19世紀末から20世紀初頭にかけての帝国主義下のイギリスにおける、青少年の教育の在り方が見られる。当時の学校教育は、スポーツを利用し、帝国の将来を担う男子の育成を目指した。しかし、これらの作品に登場するスポーツは、むしろ帝国主義に反するものとして機能している。本発表では、作中に見られるフットボールやクリケット等のスポーツの役割を考察する。

2. 柔術と柔道 — 小泉八雲と嘉納治五郎
下楠昌哉
 『ブリタニカ百科事典』第11版(1910–11)の"Ju-jutsu"の項目において、小泉八雲ことラフカディオ・ハーン(Lafcadio Hearn, 1850–1904)のOut of the East(1895)から柔術の説明が引用され、ハーンが教鞭を執っていた熊本の第五高等學校でなされていた武術の描写は、英語圏における「柔術」表象の代表となった。しかしながら、ハーンが目にしていた武術は、五校では「柔道」と呼ばれていた。当時の五校校長こそ誰あろう、講道館柔道の始祖嘉納治五郎だったからである。このエピソードを中心に、19世紀末から20世紀はじめにかけての英米での"Ju-jutsu"のイメージを考察する。

3. F・スコット・フィッツジェラルドとスポーツ ― The Great Gatsby を中心として
杉野健太郎
 F・スコット・フィッツジェラルド(F. Scott Fitzgerald, 1896–1940)の作品、とりわけ1922年を主な時代設定としたThe Great Gatsby(1925)には多くのスポーツが登場する。自伝的要素が強くプレップスクールと大学を主な舞台とする最初の作品This Side of Paradise(1920)のフットボール(アメリカン・フットボール)とは打って変わり、現代消費社会が誕生したアメリカの1920年代=「狂乱の時代」あるいはジャズ・エイジのニューヨークを舞台とするThe Great Gatsbyでは、ベースボール、クリケット、ポロ、フットボール、ゴルフと多彩なスポーツが登場する。本発表では、おそらく多くの学者が興味を抱きながらも特に日本ではまったく論じられてこなかったThe Great Gatsbyにおけるスポーツの問題を論じたい。

4. ウィリアム・フォークナーとスポーツメディア
平塚博子
 1954年創刊のアメリカのスポーツ雑誌Sports Illustratedには、多くの著名な作家が寄稿し、ウィリアム・フォークナー(William Faulkner, 1897–1962)もその一人である。当時、ノーベル賞を受賞しアメリカを代表する文化人となっていたフォークナーの同誌への起用は、アメリカ政府の冷戦期の文化政策とそれを支持する同誌の編集方針に合致するものであった。これらのことを踏まえたうえで、本発表ではフォークナー作品、特にThe Reivers(1962)とスポーツメディアの関係を考察する。

2021年2月10日 (水)

2021年度研究発表会:予告

2021年5月15日(土)、オンラインで開催予定。

発表を希望する方は事務局にご連絡願います。3月10日(水)までに、氏名、所属、タイトル、200字程度の要旨をお送りください。