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2013年11月 1日 (金)

徳永守儀先生新刊のお知らせ

バーバラ・W・タックマン『遠い鏡 ― 災厄の14世紀ヨーロッパ』徳永守儀訳、朝日出版社、2013年。(原書 Barbara W. Tuchman. A Distant Mirror: The Calamitous 14th Century. New York: Ballantine Books, 1978.)

本書の方法は、通例の歴史書のそれと異なる。黒死病、百年戦争、教皇庁大分裂下の聖俗の悲惨な状況を強調しながら、14世紀後半の歴史をたどる。フランスの領主クシーの生き様を物語風に併述する。本書には、第一身分 ― 聖職者、第二身分 ― 貴族、第三身分 ― 平民の生活が、時機を得た逸話と共に活写されている。膨大な文献を用いて、風俗や習慣などが百科辞典的に記述されているところも特徴である。原書の発行以来35年も邦訳が出なかったのは不思議でもあり、幸運でもあった。(徳永守儀記)

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