2025年4月 4日 (金)

第47回総会・第77回大会

当日のご出欠、ご連絡先・ご所属の変更等については、総会資料とともに郵送される返信用はがき、あるいはこのフォームでお知らせください。

日時 2025年5月10日(土)13:30–17:15
会場 上智大学四谷キャンパス9号館地下055C教室、057C教室
交通 JR中央線、東京メトロ丸ノ内線・南北線 四ツ谷駅下車徒歩5分|地図

プログラム
12:00 役員会(055C教室) 役員・委員はご出席ください。

13:10 受付開始

13:30 総会(057C教室)

13:55 研究発表(055C教室)
13:55–14:35 WANG Lingling(Graduate Student, Kobe University) Moderator: HIRATSUKA Hiroko(Nihon University)
Healing Spaces: War, Trauma, and Recovery in The Fifth Book of Peace

14:40–15:20 杉木良明(上智大学) 司会:西能史(上智大学)
ボトム、ポワントを履く

15:30–17:15 シンポジウム(057C教室) 司会・講師:深谷公宣(法政大学) 講師:丸山修(静岡大学)、相原直美(千葉工業大学)、日臺晴子(東京海洋大学)
音楽、舞踊、文学 ― モダニズムの文化的諸相

17:45–19:15 懇親会(13号館304号室) 会費:5,000円(学生2,000円) 第43回刈田賞および第42回ロゲンドルフ賞の授与を行います。

第77回大会:研究発表・シンポジウム要旨

Healing Spaces: War, Trauma, and Recovery in The Fifth Book of Peace
WANG Lingling
 "Water," the third chapter of Maxine Hong Kingston's The Fifth Book of Peace, rewrites the burned The Fourth Book of Peace and continues the narrative of her earlier work, Tripmaster Monkey. The protagonist, Chinese-American artist Ah Sing, embarks on a journey to Hawaii with his family to escape military service and discover peace. In the book, Spaces like Kahalu'u and Wittman's theater function as heterotopias that offer healing in contrast to the trauma of war. This presentation analyzes how these spaces serve as sites of recovery, challenging the violence and trauma imposed by war.

ボトム、ポワントを履く
杉木良明
 シェイクスピアを元にしたバレエの内、今回は、アシュトン版の『夏の夜の夢』を取り上げる。森の中でロバになったボトムがポワントを履いて踊る。男性ダンサーがポワントを履くことはまずない。女性でもマイム役は履かず、キャラクター・ダンスでも履かない場合が少なくない。では、ボトムのポワントは何を意味するのか。異界(森)で起こる出来事の非現実性を象徴しているのではないか。ポワントの歴史を紐解きつつ探ってみたい。

音楽、舞踊、文学 — モダニズムの文化的諸相
深谷公宣、丸山修、相原直美、日臺晴子(東京海洋大学)
 文学の重要なジャンルを形成している神話、詩、演劇、民謡は、音楽、舞踊の要素を多分に含んでいる。モダニズム期の文学においても、そうした要素を含む表現が採用された。しかしながら、それらは作品のモチーフとして認識されることが多く、音楽、舞踊と文学との関わりが大局的な視点ではほとんど検証されていないようにみえる。本シンポジウムでは、モダニズム期に隆盛した文学の諸ジャンルやモチーフ等から音楽、舞踊の要素を抽出し、それぞれ独自の文化的特質を持った三者の関係性について考えたい。

1. 音楽への憧れの行方 ― マラルメ、エリオット、ストラヴィンスキー、オーデン
丸山修
 T・S・エリオットがフランス象徴派に刺激を受けていることはよく知られており、特に音楽の性質に対する考え方におけるマラルメとの類似性も指摘されているが、相違点もまた重要である。20世紀西洋音楽においてモダンな作曲家を代表する一人のストラヴィンスキーは、エリオットとの共通点があるとも論じられるが、音楽の捉え方はおそらく本質的に異なっている。ストラヴィンスキーとの共作によりオペラの台本を書いたW・H・オーデンは、音楽の特質について独自の考えを随所で著している。彼らの詩(言語芸術)と音楽の関係を巡る議論を追って、音楽の可能性が果たす役割について比較検討してみたい。

2. 詩から音響へ ― ウィリアムズの戯曲における音楽の変遷
相原直美
 テネシー・ウィリアムズはモダンとポストモダンのあいだの、所謂モダニズムの「黄昏」時に豊饒な作品を生み出した劇作家である。もともと詩人を目指していたウィリアムズは、T・S・エリオットをはじめとするモダニスト詩人たちが戦中戦後に書いた一連の戯曲を「素晴らしい図書館用詩劇」と評しており、その言葉には詩と演劇の近さを認めつつも、"the visual and plastic elements of the theater"の欠如に対する批判も込められている。本発表では、ウィリアムズの提唱したplastic theaterという概念の一部を成す「音楽」という要素に着目し、彼の演劇に於ける音楽のもつ意味を、特に彼の劇に多くの楽曲を提供したポール・ボウルズの存在を視野に入れつつ、探ってみたい。

3. ヴァーノン・リーのThe Ballet of the Nationsとバレエの関係を考える
日臺晴子
 ヴァーノン・リーは第一次世界大戦の勃発に衝撃を受け、The Ballet of the Nations(1915)という朗読劇において、戦争とそれを支える歪んだ愛国精神に対する批判を展開している。この劇では所謂バレエのダンスが描かれているわけではなく、中世の道徳劇に登場するような道徳的観念や美徳がオーケストラを構成し、ヨーロッパ諸国を連想させる大小さまざまな国々がダンサーとして殺戮と暴力の限りを尽くす様子が描写されている。何故リーはこの作品にバレエというタイトルを付けたのか。当時のイギリスでも大きな話題となったバレエ・リュスがもたらした舞踏芸術の革新の文脈の中に本作品を位置付けつつ読む可能性を探りたい。

4. ニネット・ド・ヴァロワとミスタンゲット ― イェイツとベケットの舞踊観に関する一考察
深谷公宣
 サミュエル・ベケットはW・B・イェイツの舞踊劇The King of the Great Clock Tower(1934年初演)について、書簡のなかで批判的な記述を残している。本発表ではこの記述を基点としながら、両者の舞踊観の違いを探るため、イェイツの同舞踊劇に主演したニネット・ド・ヴァロワとベケットが短編小説'A Wet Night'(1934)で引き合いに出す仏キャバレーの女王ミスタンゲットとの比較を試みる。また、両作品にまつわるサロメ像についても考えたい。

2025年2月 4日 (火)

2024年度春季ワークショップ

巽孝之先生(慶應義塾大学名誉教授・慶應義塾ニューヨーク学院学院長)による好評のワークショップを開催します。テーマは「時代区分を考える」です。参加を希望する方は事務局までご連絡願います。

日時 2025年3月14日(金)15:00–17:00
会場 上智大学四谷キャンパス7号館4階文学部共用室A
交通 JR中央線、東京メトロ丸ノ内線・南北線 四ツ谷駅下車徒歩5分|地図
定員 20名(先着順)
会費 会員無料、非会員500円(学生無料)
テキスト ブルース・シュルマン『アメリカ70年代』(巽孝之監訳、北村礼子訳、国書刊行会、2024年)

70s

2025年度大会:予告

2025年5月10日(土)、上智大学四谷キャンパスにて開催予定。 発表を希望する方は事務局にご連絡願います。2月末日までに氏名、所属、タイトル、200字程度の要旨をお送りください。

Soundings第51号原稿募集

会誌Soundings第51号への論文、書籍紹介、研究ノートの投稿を希望する方は、最新の投稿規定を参照の上、6月末日までに事務局へ原稿をお送りください。掲載料は無料です。

2024年9月24日 (火)

Soundings Newsletter第76号発行

会報Soundings Newsletter第76号が発行されました。ご一読ください。

2024年7月13日 (土)

2024年度秋季ワークショップ

舟川一彦先生(上智大学名誉教授)によるワークショップが開催されます。テーマは「読解教材をつくる — J. S. ミルの「セント・アンドルーズ大学名誉学長就任講演」からの一節を例に」です。参加を希望する方は事務局までご連絡願います。巽孝之先生による次回ワークショップは25年3月頃開催予定です。

日時 2024年9月7日(土)15:00–17:00
会場 上智大学四谷キャンパス7号館4階文学部共用室A
交通 JR中央線、東京メトロ丸ノ内線・南北線 四ツ谷駅下車徒歩5分|地図
定員 20名
会費 会員無料、非会員500円(学生無料)
テキスト 事務局からPDFをお送りします。

概要 舟川先生にご指導いただきながら、思想史上に名を留める有名な文章を素材に大学生向けの読解教材をつくる作業の体験を共有するという企画です。導入の方法、語句や文法の解説、思想史的背景を理解させるための工夫、注の内容、模範訳のつくり方などについて、先生とともに考えたいと思います。この作業を通じて、自分自身の読解力の向上も図れると思います。素材はJ. S. ミルの大学論から一節を抜粋する予定です。

2024年5月25日 (土)

Soundings第49号公開

2023年発行の会誌最新号、Soundings第49号(高柳俊一先生追悼号)のPDFを公開しました。

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2024年3月22日 (金)

第46回総会・第76回大会

当日のご出欠、ご連絡先・ご所属の変更等については、総会資料とともに郵送される返信用はがき、あるいはこのフォームでお知らせください。

日時 2024年5月11日(土)13:30–17:10
会場 上智大学四谷キャンパス12号館12-202教室、12-203教室
交通 JR中央線、東京メトロ丸ノ内線・南北線 四ツ谷駅下車徒歩5分|地図

プログラム
12:00 役員会(12-203教室) 役員・委員はご出席ください。

13:10 受付開始

13:30 総会(12-202教室)
                    
13:55 研究発表
会場1(12-202教室)
13:55–14:35 岡田大樹(東京農業大学) 司会:平塚博子(日本大学)
語る主体の融解 ― William Faulkner "The Leg"の語り手について

14:40–15:20 宮脇俊文(成蹊大学名誉教授) 司会:深谷公宣(法政大学)
『ラスト・タイクーン』再構築 ― 「グレート」から「ラスト」へ

会場2(12-203教室)
13:55–14:35 宮林大輔(慶應義塾大学大学院) 司会:下永裕基(明治大学)
2つの文法アプローチ ― 生成文法と伝統文法 

14:40–15:20 高山真梨子(慶應義塾大学大学院) 司会:下永裕基
聖グースラークの隠遁生活の場所 ― 古英語詩Guthlac Aにおける描写からの考察
                    
15:40–17:10 シンポジウム(12-202教室) 杉藤久志(日本大学)、皆川祐太(日本大学)、米田ローレンス正和(白百合女子大学)、小室龍之介(都留文科大学)
作家にとっての自己:中世から現代まで

17:30–19:00 懇親会(13号館304号室) 会費:5,000円(学生2,000円) 第42回刈田賞および第41回ロゲンドルフ賞の授与を行います。

第76回大会:研究発表・シンポジウム要旨

語る主体の融解 — William Faulkner "The Leg"の語り手について
岡田大樹
 William Faulknerの小説テクストには、一人称や三人称といった語りの安定性が崩れるケースが多く見られる。Faulkner の短篇のなかで最も謎めいていると評されることの多い"The Leg"(1934)では、登場人物の一人称による語りのなかに、忽然として、遠く離れた時空を描写する三人称による語りが差し挟まれる。戦傷患者や亡霊など、安定的な生から追いやられた登場人物を多く擁する本作において、この語りの操作が意味するものを考察する。

『ラスト・タイクーン』再構築 ― 「グレート」から「ラスト」へ
宮脇俊文
 スコット・フィッツジェラルドが、その晩年ハリウッドの地で再起をかけて挑んだ長編『ラスト・タイクーン』は未完に終わったものの、大作である(あるいはそうなるはずであった)ことは間違いない。主人公のモンロー・スターは『グレート・ギャツビー』の主人公であるジェイ・ギャツビーと多くの共通点を有している。その意味で、この作品は『ギャツビー』の続編として読むことも可能だ。「グレート」から「ラスト」へ、フィッツジェラルドはこの作品にアメリカの何を描こうとしたのか?何が「最後」だと考えたのかを探る。

2つの文法アプローチ — 生成文法と伝統文法
宮林大輔
 渡部昇一は『秘術としての文法』の中で、「比喩をもって言えば、新言語学は化学であり伝統文法は薬学である」(17)と述べている。今回の研究発表では、これら二つの方向性の異なる文法体系において、実際に見ている言語の姿は異なって映るのかどうかということを検証したい。検証には語順という観点からは時代区分の位置付けの難しいピーターバラ年代記の後半個所を用い、伝統、生成という二つの文法体系の同異を見る。

聖グースラークの隠遁生活の場所 ― 古英語詩Guthlac Aにおける描写からの考察
高山真梨子
 古英語詩Guthlac Aはイングランドの聖人グースラーク(d. 714)に関してアングロ・サクソン時代に残された複数の記録のうちの1つである。同じ聖人に関する同時代の他作品と比べ、聖人が隠遁生活を送る場所に対する扱いが特徴的であり、この場所の描写に関して様々な議論がなされてきた。本発表では、Guthlac Aにおいて聖人の隠遁生活の場所に関して用いられる語から問題となる場所の描写のされ方を明らかにし、さらに他の古英語詩における類似の語の使用や他の聖人伝における場所の描写を比較対象とすることにより、その描写を多角的に再検討したい。

作家にとっての自己:中世から現代まで
杉藤久志、皆川祐太、米田ローレンス正和、小室龍之介
 時代を問わず、作家にとって「自己」とは常に大きな問題だ。(虚構としての)自分自身を作品に登場させる作家や、直接の内面描写を通じて自己と向き合う作家など、表現はさまざまである。しかし、とある時代区分における作家の自己が議論される機会は多いが、大きな時代区分を超えて自己を比べる試みはあまりない。このシンポジウムでは当学会の幅広い研究分野を活かし、中世、初期近代、19世紀、20世紀から作家を取り上げて、時代・作家ごとに問題となる自己の特性を考えてみたい。

1. <中世> 詩人チョーサーと愛の寓意
杉藤久志
 中世における自己は、宗教改革やデカルト以前の「個を持たない存在」として描かれることが多い。これに対する批判はもちろんなされてきたが、確かに中世は独立した自己認識よりも、神などの大きな概念の中に自己を見出す傾向がある。チョーサーの場合は、中世の伝統を継承しながらも、ひとりの詩人という自己を強く意識していることに注目したい。Legend of Good Womenにおいて、彼は中世詩人たちの内面を支配した寓意である「愛の神」を登場させる。しかし恋についてではなく、詩とその読者の反応について愛の神と対話し、詩人としての自己を形成する。

2. <初期近代> 「葛藤する自己」とピューリタン詩人:アン・ブラッドストリートを中心に
皆川祐太
 罪深い自己と聖なる自己の葛藤がピューリタンの個を形成していた。では、当時のピューリタン詩人にとって、自己はどのようなものだったのか。アン・ブラッドストリートの詩集であるThe Tenth Muse Lately Sprung Up in America(1650)の"The Prologue"と"The Flesh and the Spirit"(1678)を分析し、ピューリタンの「葛藤する自己」と詩人としての自己の関係に光を当て、ブラッドストリートが如何に自己を理解し、それを描いていたのか論じる。

3. <19世紀> 近代出版市場における詩人の価値:ロマン主義詩人シェリーの場合
米田ローレンス正和
 北西ヨーロッパが宗教改革を経て「内面」を備えた近代的個人を確立していくプロセスを概観し、その歴史的文脈においてシェリーの「詩人としての自己」がどのように構築され、また変容していったか、Alastor(1816)およびAdonais(1821)という二編の詩を比較しながら論じる。

4. <20世紀> エリザベス・ボウエンの『最後の九月』に描かれる自己と植民地主義
小室龍之介
 20世紀のアングロ・アイリッシュ作家のエリザベス・ボウエンの第二作The Last September(1929)は、イギリス支配下にある1920年のコーク(アイルランド)にあるビッグ・ハウスを舞台にしたコロニアル小説である。本発表ではアングロ・アイリッシュの主人公ロイスと英兵ジェラルドとの恋愛を辿り、ロイスの物事一般についての認識の「曖昧さ」とイギリスの植民地主義がロイスの自己形成に関わっていることを示したい。