2024年5月25日 (土)

Soundings第49号公開

2023年発行の会誌最新号、Soundings第49号(高柳俊一先生追悼号)のPDFを公開しました。

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2024年3月22日 (金)

第46回総会・第76回大会

当日のご出欠、ご連絡先・ご所属の変更等については、総会資料とともに郵送される返信用はがき、あるいはこのフォームでお知らせください。

日時 2024年5月11日(土)13:30–17:10
会場 上智大学四谷キャンパス12号館12-202教室、12-203教室
交通 JR中央線、東京メトロ丸ノ内線・南北線 四ツ谷駅下車徒歩5分|地図

プログラム
12:00 役員会(12-203教室) 役員・委員はご出席ください。

13:10 受付開始

13:30 総会(12-202教室)
                    
13:55 研究発表
会場1(12-202教室)
13:55–14:35 岡田大樹(東京農業大学) 司会:平塚博子(日本大学)
語る主体の融解 ― William Faulkner "The Leg"の語り手について

14:40–15:20 宮脇俊文(成蹊大学名誉教授) 司会:深谷公宣(法政大学)
『ラスト・タイクーン』再構築 ― 「グレート」から「ラスト」へ

会場2(12-203教室)
13:55–14:35 宮林大輔(慶應義塾大学大学院) 司会:下永裕基(明治大学)
2つの文法アプローチ ― 生成文法と伝統文法 

14:40–15:20 高山真梨子(慶應義塾大学大学院) 司会:下永裕基
聖グースラークの隠遁生活の場所 ― 古英語詩Guthlac Aにおける描写からの考察
                    
15:40–17:10 シンポジウム(12-202教室) 杉藤久志(日本大学)、皆川祐太(日本大学)、米田ローレンス正和(白百合女子大学)、小室龍之介(都留文科大学)
作家にとっての自己:中世から現代まで

17:30–19:00 懇親会(13号館304号室) 会費:5,000円(学生2,000円) 第42回刈田賞および第41回ロゲンドルフ賞の授与を行います。

第76回大会:研究発表・シンポジウム要旨

語る主体の融解 — William Faulkner "The Leg"の語り手について
岡田大樹
 William Faulknerの小説テクストには、一人称や三人称といった語りの安定性が崩れるケースが多く見られる。Faulkner の短篇のなかで最も謎めいていると評されることの多い"The Leg"(1934)では、登場人物の一人称による語りのなかに、忽然として、遠く離れた時空を描写する三人称による語りが差し挟まれる。戦傷患者や亡霊など、安定的な生から追いやられた登場人物を多く擁する本作において、この語りの操作が意味するものを考察する。

『ラスト・タイクーン』再構築 ― 「グレート」から「ラスト」へ
宮脇俊文
 スコット・フィッツジェラルドが、その晩年ハリウッドの地で再起をかけて挑んだ長編『ラスト・タイクーン』は未完に終わったものの、大作である(あるいはそうなるはずであった)ことは間違いない。主人公のモンロー・スターは『グレート・ギャツビー』の主人公であるジェイ・ギャツビーと多くの共通点を有している。その意味で、この作品は『ギャツビー』の続編として読むことも可能だ。「グレート」から「ラスト」へ、フィッツジェラルドはこの作品にアメリカの何を描こうとしたのか?何が「最後」だと考えたのかを探る。

2つの文法アプローチ — 生成文法と伝統文法
宮林大輔
 渡部昇一は『秘術としての文法』の中で、「比喩をもって言えば、新言語学は化学であり伝統文法は薬学である」(17)と述べている。今回の研究発表では、これら二つの方向性の異なる文法体系において、実際に見ている言語の姿は異なって映るのかどうかということを検証したい。検証には語順という観点からは時代区分の位置付けの難しいピーターバラ年代記の後半個所を用い、伝統、生成という二つの文法体系の同異を見る。

聖グースラークの隠遁生活の場所 ― 古英語詩Guthlac Aにおける描写からの考察
高山真梨子
 古英語詩Guthlac Aはイングランドの聖人グースラーク(d. 714)に関してアングロ・サクソン時代に残された複数の記録のうちの1つである。同じ聖人に関する同時代の他作品と比べ、聖人が隠遁生活を送る場所に対する扱いが特徴的であり、この場所の描写に関して様々な議論がなされてきた。本発表では、Guthlac Aにおいて聖人の隠遁生活の場所に関して用いられる語から問題となる場所の描写のされ方を明らかにし、さらに他の古英語詩における類似の語の使用や他の聖人伝における場所の描写を比較対象とすることにより、その描写を多角的に再検討したい。

作家にとっての自己:中世から現代まで
杉藤久志、皆川祐太、米田ローレンス正和、小室龍之介
 時代を問わず、作家にとって「自己」とは常に大きな問題だ。(虚構としての)自分自身を作品に登場させる作家や、直接の内面描写を通じて自己と向き合う作家など、表現はさまざまである。しかし、とある時代区分における作家の自己が議論される機会は多いが、大きな時代区分を超えて自己を比べる試みはあまりない。このシンポジウムでは当学会の幅広い研究分野を活かし、中世、初期近代、19世紀、20世紀から作家を取り上げて、時代・作家ごとに問題となる自己の特性を考えてみたい。

1. <中世> 詩人チョーサーと愛の寓意
杉藤久志
 中世における自己は、宗教改革やデカルト以前の「個を持たない存在」として描かれることが多い。これに対する批判はもちろんなされてきたが、確かに中世は独立した自己認識よりも、神などの大きな概念の中に自己を見出す傾向がある。チョーサーの場合は、中世の伝統を継承しながらも、ひとりの詩人という自己を強く意識していることに注目したい。Legend of Good Womenにおいて、彼は中世詩人たちの内面を支配した寓意である「愛の神」を登場させる。しかし恋についてではなく、詩とその読者の反応について愛の神と対話し、詩人としての自己を形成する。

2. <初期近代> 「葛藤する自己」とピューリタン詩人:アン・ブラッドストリートを中心に
皆川祐太
 罪深い自己と聖なる自己の葛藤がピューリタンの個を形成していた。では、当時のピューリタン詩人にとって、自己はどのようなものだったのか。アン・ブラッドストリートの詩集であるThe Tenth Muse Lately Sprung Up in America(1650)の"The Prologue"と"The Flesh and the Spirit"(1678)を分析し、ピューリタンの「葛藤する自己」と詩人としての自己の関係に光を当て、ブラッドストリートが如何に自己を理解し、それを描いていたのか論じる。

3. <19世紀> 近代出版市場における詩人の価値:ロマン主義詩人シェリーの場合
米田ローレンス正和
 北西ヨーロッパが宗教改革を経て「内面」を備えた近代的個人を確立していくプロセスを概観し、その歴史的文脈においてシェリーの「詩人としての自己」がどのように構築され、また変容していったか、Alastor(1816)およびAdonais(1821)という二編の詩を比較しながら論じる。

4. <20世紀> エリザベス・ボウエンの『最後の九月』に描かれる自己と植民地主義
小室龍之介
 20世紀のアングロ・アイリッシュ作家のエリザベス・ボウエンの第二作The Last September(1929)は、イギリス支配下にある1920年のコーク(アイルランド)にあるビッグ・ハウスを舞台にしたコロニアル小説である。本発表ではアングロ・アイリッシュの主人公ロイスと英兵ジェラルドとの恋愛を辿り、ロイスの物事一般についての認識の「曖昧さ」とイギリスの植民地主義がロイスの自己形成に関わっていることを示したい。

2024年1月28日 (日)

2023年度春季ワークショップ

巽孝之先生(慶應義塾大学名誉教授)による好評のワークショップを開催します。テーマは「文学史と大統領史」です。参加を希望する方は事務局までご連絡願います。

日時 2024年3月8日(金)15:00–17:00
会場 上智大学四谷キャンパス2号館2-405教室
交通 JR中央線、東京メトロ丸ノ内線・南北線 四ツ谷駅下車徒歩5分|地図
定員 20名(先着順)
会費 会員無料、非会員500円(学生無料
テキスト 巽孝之監修、大串尚代・佐藤光重・常山菜穂子編纂『アメリカ文学と大統領 — 文学史と文化史』(南雲堂、2023年)

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2024年度大会:予告

2024年5月11日(土)、上智大学四谷キャンパスにて開催予定。 発表を希望する方は事務局にご連絡願います。2月末日までに氏名、所属、タイトル、200字程度の要旨をお送りください。

Soundings第50号原稿募集

会誌Soundings第50号への論文、書籍紹介、研究ノートの投稿を希望する方は、最新の投稿規定を参照の上、6月末日までに事務局へ原稿をお送りください。掲載料は無料です。

2023年9月15日 (金)

Soundings Newsletter第75号発行

会報Soundings Newsletter第75号が発行されました。ご一読ください。

2023年7月26日 (水)

2023年度秋季ワークショップ

舟川一彦先生(上智大学名誉教授)によるワークショップが開催されます。テーマは「読解教材をつくる — 『ガリヴァー旅行記』からの一節を例に」です。参加を希望する方は事務局までご連絡願います。巽孝之先生による次回ワークショップは24年3月頃開催予定です。

日時 2023年9月9日(土)15:00–17:00
会場 上智大学四谷キャンパス7号館4階文学部共用室A
交通 JR中央線、東京メトロ丸ノ内線・南北線 四ツ谷駅下車徒歩5分|地図
定員 20名
会費 会員無料、非会員500円
テキスト 事務局からPDFをお送りします。

概要 文学作品を材料にして大学生向けの読解教材をつくる作業の体験を共有してみよう。作品に初めて触れる学生のためにどういった導入をするか、語句や文法に関してどの程度の解説を与えるか、作品を文学として理解させるためにどういうポイントに着目させればよいか、そのためにどんなヒントを注として与えるべきか、そして、(通常の翻訳と異なる)教材の一部としての模範訳をつくる時にはどういう工夫が必要なのか、こういったことを一緒に考えてみたい。この作業を通じて、教室で学生を教える際の意識のみならず、自分自身の読解力の向上も図れるのではないかと期待する。素材はスウィフト『ガリヴァー旅行記』第4篇から一節(350語程度)を抜粋し、これを英文学科新入生または他学科1、2(または3)年生の語学授業のための教材に仕上げることを想定する。

2023年4月 8日 (土)

第45回総会・第75回大会

当日のご出欠、ご連絡先・ご所属の変更等については、総会資料とともに郵送される返信用はがき、あるいはこのフォームでお知らせください。

会場となる図書館に入るために、大会プログラムが必要です。当日は入口でプログラムを提示し、入館してください。

日時 2023年5月13日(土)13:50–17:15
会場 上智大学四谷キャンパス図書館L-821
交通 JR中央線、東京メトロ丸ノ内線・南北線 四ツ谷駅下車徒歩5分|地図

プログラム
12:40 役員会(L-822) 役員・委員はご出席ください。

13:50 受付開始

14:10–14:30 総会

14:40–15:20 研究発表 田村真弓(大東文化大学) 司会:石塚倫子(東京家政大学)
『冬物語』の宮廷上演と三十年戦争

15:30–17:15 講演 舟川一彦(上智大学名誉教授) 司会:西能史(上智大学)
ウォルター・ペイターのギリシア彫刻論 — 彫刻は倫理的観念の伝達者たりうるか

17:30–19:00 懇親会(13号館304号室) 会費:5,000円(学生2,000円) 第41回刈田賞および第40回ロゲンドルフ賞の授与を行います。

第75回大会:研究発表・講演要旨

『冬物語』の宮廷上演と三十年戦争
田村真弓
 ウィリアム・シェイクスピア(William Shakespeare, 1564–1616)の『冬物語』(The Winter’s Tale, 1611)は、1611年11月5日の宮廷上演を皮切りに、1642年の清教徒革命による劇場閉鎖までに、宮廷で5度上演されている。その他の劇の上演は、通常1、2回であったことを考慮すると、『冬物語』の宮廷上演の回数は、極めて多いと言わざるを得ない。本発表では、『冬物語』の5度の宮廷上演のうち、1618年、1624年、1634年の上演に注目し、宮廷もしくは民衆劇場で同時期に上演された劇や仮面劇と共に、歴史的・政治的背景から分析することで、それらの上演の意義を探りたい。加えて、1612年から1613年にかけての『冬物語』の上演が、ジェームズ王の息女エリザベス・ステュアート(Elizabeth Stuart, 1596–1662)とプファルツ選帝侯フリードリヒ五世の祝婚の余興の一つであったことから、エリザベスと『冬物語』の宮廷上演の関係性を考察したい。

ウォルター・ペイターのギリシア彫刻論 — 彫刻は倫理的観念の伝達者たりうるか
舟川一彦
 死後出版されたペイターの『ギリシア研究』(Greek Studies, 1895)の後半部をなすのは、ギリシア彫刻に関するエッセイ4篇である。この一連の論考の中で彼が、同書前半の神話論のテーマをどのように発展させたかを考える。
 ペイターは初期のエッセイ「ヴィンケルマン」(1867)で、ヘーゲルの美術史理論に依拠して、彫刻を古代ギリシア人の精神に適合した「古典的藝術」と特徴づけていた。それはつまり、キリスト教以後および近代の人間の内面や精神を表現するには不適格という意味だった。ところが1870年代中頃のギリシア神話論において、ペイターは人間の内面と倫理性の表現という重い役割を彫刻に与え、ギリシア彫刻がその任務を実際に果たしたと主張するようになる。その動機は、ギリシア彫刻に題材を提供するギリシア宗教と、キリスト教および近代の精神との近似性と連続性を立証したいという願望にあった。
 1880年前後に書かれ、『ギリシア研究』後半に収められた彫刻論でペイターが果たしてそれを立証しえたのか、もし立証できなかったとすれば、彼がどのような形で自らの理論の欠落点を埋め合わせようとしたのかを観察する。