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2017年4月12日 (水)

第39回総会・第69回大会

今大会は、ジョナサン・スウィフト生誕350周年を記念した企画です。皆様のご参加をお待ちしております。準備の都合上、出欠を4月27日(木)までに事務局までお知らせください。

日時 2017年5月13日(土)13:30–17:15
会場 上智大学四谷キャンパス6号館6-203教室、6-204教室
交通 JR中央線、東京メトロ丸ノ内線・南北線 四ツ谷駅下車徒歩5分|地図

プログラム
12:00 役員会(6-203教室) 役員および事務局員はご出席ください(ご欠席の方は、必ず事務局までご連絡ください)。

13:15 受付開始(6-204教室)

13:30 総会(6-204教室)

14:00 研究発表(6-203教室)
14:00–14:40 下川舞子(上智大学大学院) 司会:米田ローレンス正和(白百合女子大学)
スウィフトと機械的詩作論

14:50–15:30 浦口理麻(東京学芸大学) 司会:土井良子(白百合女子大学)
ジョナサン・スウィフトとアイルランド植民地問題

15:40–17:15 講演(6-204教室) 中島渉(明治大学) 司会:小林章夫(帝京大学)
変節者の本意とは? — ジョナサン・スウィフトの政治思想を探る

17:45–19:15 懇親会(13号館303号室) 会費:4,000円 第35回刈田賞および第34回ロゲンドルフ賞の授与を行います。

第69回大会:研究発表・講演要旨

スウィフトと機械的詩作論
下川舞子
 『霊感の機械的操作論』(1704)において、自らを人工的にトランス状態に持っていくための様々な即物的工夫を凝らし、その結果として現れた「機械的光明」を崇める者達の描写には、熱狂に対するスウィフトの強い反感が反映されている。しかし、体内を「たちまち駆け上ってくる蒸気」によって陶酔状態に陥るというこの疑似医学論は、スウィフトのパトロンであったテンプルが、偉大な詩人の脳には「ある種の熱」が働きかけているのではないかという記述とも類似点を持つ。本論は、機械論的に見た人体が知的活動に及ぼす影響を解明しようとする近代自然哲学の試みと、詩作論とが交差する点として、スウィフトの風刺を読む事を試みる。

ジョナサン・スウィフトとアイルランド植民地問題
浦口理麻
 ジョナサン・スウィフト(Jonathan Swift, 1667–1745)はアングロ・アイリッシュであるため、彼の作品にはアイルランド寄りの視点とイングランド寄りの視点が混在している。そのため、イングランドのアイルランド支配の問題に対するスウィフトの態度には時に矛盾が見られることもある。この矛盾に関してはすでに数多くの論考があるが、多くのものが1720年代以降の作品を分析対象としている。本発表においてはアイルランドの問題が扱われた1700年代の2つの作品に注目しながらスウィフトの曖昧性を論じていく。また、作品の中ではスコットランドの問題も扱われているので、イングランド、スコットランド、アイルランドの関係にも注目したい。

変節者の本意とは? — ジョナサン・スウィフトの政治思想を探る
中島渉
 二大政党が根づきだした18世紀初頭のイギリス政界にあって、ホイッグからトーリーへの転向を果たしたとされるジョナサン・スウィフトだが、その言説の真の党派性をめぐっては、専門家の間でも未だに意見が分かれている。一見したところ中道を装い、容易に言質をとらせないその筆致に読者は翻弄されるのが常だけれども、代表作『ガリバー旅行記』の例を見るまでもなく、彼の主義主張には何らかの強烈なバイアスがかかっていることは疑いない。
 結局スウィフトはホイッグなのか、トーリーなのか。それとも何か別のアプローチは可能なのか。本講演では、彼の政治文書を貫く堅固な保守性に着目し、その国家観の実像をとらえることに努めてみたい。

2016年12月15日 (木)

2017年度大会:予告

2017年5月13日(土)、上智大学四谷キャンパスにて開催予定。

発表を希望する方は事務局にご連絡願います。氏名、所属、タイトル、200字程度の要旨をお送りください。

ジョナサン・スウィフト(1667–1745)生誕350周年を記念した企画を予定しています。

2016年5月 3日 (火)

第38回総会・第68回大会

準備の都合上、出欠を4月28日(木)までに事務局までお知らせください。

日時 2016年5月14日(土)12:45–17:15
会場 上智大学四谷キャンパス2号館2-402教室、2-403教室
交通 JR中央線、東京メトロ丸ノ内線・南北線 四ツ谷駅下車徒歩5分|地図

プログラム
12:00 役員会(2-402教室) ご出席くださる役員は事前に事務局までご連絡ください。

12:30 受付開始(2-402教室)

12:45 総会(2-403教室)

13:15 研究発表(2-402教室)
13:15–13:55 岸啓介(上智大学大学院) 司会:鷲尾郁(明治大学)
“You Done Me Wrong” ― Gertrude “Ma” Raineyの“Stack O’Lee Blues”に見られる悪漢のイメージ

14:00–14:40 田村真弓(上智大学) 司会:東郷公徳(上智大学)
王政復古期のシェイクスピア劇 — マスク化されたThe Tempest

14:45–17:15 シンポジウム(2-403教室) 石塚倫子(東京家政大学)、杉木良明(上智大学)、武岡由樹子(上智大学)、西能史(上智大学) 司会:舟川一彦(上智大学)
書斎の外のシェイクスピア

17:45–19:15 懇親会(紀尾井坂ビル5階会議室2) 会費:4,000円 第34回刈田賞および第33回ロゲンドルフ賞の授与を行います。

第68回大会:研究発表・シンポジウム要旨

“You Done Me Wrong” ― Gertrude “Ma” Raineyの“Stack O’Lee Blues”に見られる悪漢のイメージ
岸啓介
 ガートルード・マ・レイニーは、1920年代のいわゆるクラシック・ブルースを代表する歌手の一人である。彼女の歌った『スタック・オリー・ブルース』は黒人口承文化における原型的な悪漢Stagger Leeを扱っているが、女性の視点から描かれるこの悪漢像について従来あまり論じられて来なかった。本発表では、マ・レイニー版の歌詞=テクストを読解するにあたり、サブテクストとして存在する別の伝承にも着目することで、当時の女性ブルース歌手の歌唱に込められた重層性を読み取りたい。

王政復古期のシェイクスピア劇 — マスク化されたThe Tempest
田村真弓
 William Shakespeare (1564–1616)の作品中、最も音楽性の豊かな劇であるThe Tempest (1611)は、王政復古期の上演時に、歌と踊りの要素を増して、「オペラ化」されたと言われてきた。しかし、この時代に改訂されたThe Tempestは、実は「オペラ化」されたのではなく、「マスク(仮面劇)化」されたのではないだろうか。本発表では、John Dryden (1631–1700)とWilliam D’Avenant (1606–68)によるThe Enchanted Island (1667)とThomas Shadwell (1642?–92)のThe Enchanted Island (1674)を主要なテクストとして取り上げ、オペラとマスクの本質的な違いやマスクの政治性に焦点を当てながら、王政復古期のThe Tempest上演の意義を明らかにしようと思う。

書斎の外のシェイクスピア
石塚倫子、杉木良明、武岡由樹子
 今年はシェイクスピアの没後400年にあたります。それを記念して、書斎で作品を読んだり劇場で観劇したりするだけではない、シェイクスピアを楽しむ多様な視点を探ってみます。そもそもシェイクスピアという人物そのものがミステリーであり、つきない興味の源泉ですので、まずは様々な伝記から得られる食い違った情報やいくつかの別人説等々を紹介し、シェイクスピアの生涯の謎や時代背景について考えてみます(武岡)。続いて、400年を越える上演の歴史を振り返ることによって、彼の作品が異なる時代や文化を背景にどのように受容され、各時代や国の観客にどんな刺戟を与えてきたかを見るために、シェイクスピア上演史を①エリザベス時代からヴィクトリア時代まで(杉木)、②20–21世紀(西)、③日本(翻訳史を含む)(石塚)、という具合に分担して紹介します。

2016年1月 7日 (木)

2016年度大会:予告

2016年5月14日(土)、上智大学四谷キャンパスにて開催予定。

発表を希望する方は2月5日(金)までに事務局にご連絡願います。氏名、所属、タイトル、200字程度の要旨をお送りください。

2015年4月17日 (金)

第37回総会・第67回大会

準備の都合上、出欠を4月30日(木)までに事務局までお知らせください。

日時 2015年5月16日(土)13:30–17:15
会場 上智大学四谷キャンパス11号館11-305教室、11-311教室
交通 JR中央線、東京メトロ丸ノ内線・南北線 四ツ谷駅下車徒歩5分|地図

プログラム
12:30 役員会(11-305教室) ご出席下さる役員は事前に事務局までご連絡ください。

13:00 受付開始(11-305教室)

13:30 総会(11-311教室)

14:00 研究発表(11-305教室)
14:00–14:40 山本真由美(上智大学大学院) 司会:米田ローレンス正和(帝京大学)
『鎖を解かれたプロメテウス』におけるシェリーの詩精神の体現

14:50–15:30 高橋悠香(上智大学大学院) 司会:浦口理麻(東京学芸大学)
国民の自立と教育 ― CarlyleとYoung Irelandを中心に

15:45-–17:15 特別講演(11-311教室) 徳永守儀(東洋大学名誉教授) 司会:小野昌(元城西大学教授)
Barbara W. Tuchman, A Distant Mirror 『遠い鏡』翻訳発刊までの遠い道

17:30–19:00 懇親会(紀尾井坂ビル5階会議室4) 会費:4,000円 第33回刈田賞および第32回ロゲンドルフ賞の授与を行います。

第67回大会:研究発表・講演要旨

『鎖を解かれたプロメテウス』におけるシェリーの詩精神の体現
山本真由美
 『鎖を解かれたプロメテウス』は、シェリーの代表作であり、主人公プロメテウスがジュピターから虐げられるも最終的に自由を勝ち取る様を描いたLyrical Dramaである。この作品には哲学や宗教など、シェリーの様々な思想が反映されていると言われる。今回の発表では、まず形式と神話の側面、つまりこの作品においてシェリーがいかに同時代の流れをくみ、いかに従来の神話を改変しているのかに目を向けたい。更に、これらを考慮した上で、プロメテウスの解放と完成というクライマックスに体現されているシェリーの詩精神を読み解いてみたいと思う。

国民の自立と教育 ― CarlyleとYoung Irelandを中心に
高橋悠香
 Thomas Carlyle (1795–1881)とアイルランド青年党(Young Ireland)は、その生まれやアイルランド問題への態度の違いから、一見するとなんら関わりのないように思えるが、近年彼らの知的交流が注目されつつある。今回の発表では、Carlyleの著作に描かれているような個人の精神的成長の重要性が、Young Irelandが理想としたアイルランド国民の自立、そして教育の重要性に変換されていく過程を追う。19世紀のアイルランドでは教育改革が議論の的になったが、フランス革命や相次ぐ社会不安を伴って、個人の内面を定義し鍛えることがヨーロッパの知識人の間で強調されるようになった。その波及がCarlyleを通じてもアイルランドに及んだ様を観察する。

Barbara W. Tuchman, A Distant Mirror 『遠い鏡』翻訳発刊までの遠い道
徳永守儀
 本書の翻訳を本格的に始めたのは、私が75歳となり、知的活動は、読書をするくらいで、何も義務がなくなってからである。自由な身になったら、家庭菜園を楽しみ、子供時代から好きだった鉄道模型いじり、さらにキーボードを覚えること、が思う存分できるようになると思った。しかし、大学に行かない日が何日もすぎていくと、このまま無為に人生をすごしていいのだろうかと、自問するようになった。生意気にも、生きているしるしを残そうと思うようになった。そこで、中途半端になっていた、タックマンの翻訳を正式にはじめることにした。
 いざ、はじめて見ると、原本が分厚く、固有名詞や地名がわからないことが多く、また、表現が妙に比喩的であったり、飛躍したりすることがあり、容易ではなかった。原注はあったが、翻訳の助けにはならない。わからないところは直訳して、息子や妻に読んでもらい、意見をきくこともあった。1日平均1ページくらいこなしてやっと8割くらい進んだ頃、翻訳権、出版社の心配がでてきた。科研費や私家本のことも考えた。結局自費出版となり、何とか刊行にこぎつけた。分厚い本を見ると、我ながらよくやったと思うこともあるが、校閲、校正が不十分なこともあり、無念な気がする。
 このたび、サウンディングズ会長小林章夫氏のすすめで、本書刊行までの話をするようにとのことなので、下記の事項をとりあげてみようと思う。

  1. 翻訳の底本について
  2. タックマン(1912–1989)との出会い
  3. 中世とはどういう時代か
  4. タックマンとホイジンガ(1872–1945)
  5. タックマン方式の特徴
  6. 中世への関心とタックマンの翻訳
  7. 翻訳書の体裁などの詳細
  8. 翻訳の手順と留意点
  9. 出版社の決定・契約・翻訳権取得について
  10. 校閲・校正について
  11. 宣伝・拡販について
  12. 新聞の書評

2014年12月25日 (木)

2015年度大会:予告

2015年5月16日(土)、上智大学四谷キャンパスにて開催予定。

発表を希望する方は2月2日(月)までに事務局にご連絡願います。氏名、所属、タイトル、200字程度の要旨をお送りください。

2014年4月10日 (木)

第36回総会・第66回大会

準備の都合上、出欠を4月25日(金)までに事務局までお知らせください。

日時 2014年5月10日(土)13:30–17:15
会場 上智大学四谷キャンパス11号館11-305教室、11-311教室
交通 JR中央線、東京メトロ丸ノ内線・南北線 四ツ谷駅下車徒歩5分|地図

プログラム
12:30 役員会(11-305教室) ご出席下さる役員は事前に事務局までご連絡ください。

13:00 受付開始(11-305教室)

13:30 総会(11-311教室)

14:00 研究発表(11-305教室)
14:00–14:40 西本奏子(上智大学大学院) 司会:武岡由樹子(上智大学)
"Love Among the Artists" ― Design for Livingにおけるモダンな芸術家たち

14:50–15:30 空閑あゆみ(東邦大学) 司会:平塚博子(日本大学)
階級差を乗り越える過程としてのシスターフッド ― 『ジャズ』におけるアリスとヴァイオレットの交流

15:45–17:15 特別講演(11-311教室) 新井潤美(上智大学) 司会:舟川一彦(上智大学)
Elizabeth GaskellのWives and Daughtersにおける階級観

17:30–19:00 懇親会(紀尾井坂ビル5階会議室4) 会費:4,000円 第32回刈田賞および第31回ロゲンドルフ賞の授与を行います。